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2008.12.31(Wed)

「日々是勉強」用語集 

当ブログで取り上げられる概念や用語についての解説です。

  ※2008年1月9日「ランドパワー」「シーパワー」を追加)

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 (後半に続く)
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2008.07.04(Fri)

【食糧危機】日本人よ、海に目を向けよう!! 

  ●食糧高騰の話の続きです。2回で完結すると思っていましたが、思いの外分量が増えそうなので、何回かに分けて話を展開していくことにします。

全世界の穀物の4割が向かう先

  さて、私は前回の最後に、「タンパク質」が鍵だという話をしました。その理由は、この栄養素を作り出すために、膨大な食糧が消えているという現状があるからです。

  日本は、食糧自給率が低い国だと言われています。カロリーベースで計算して、だいたい40%です。サミット参加国中最悪の数字です。なお、金額ベースで表す計算もあります(こちらだと70%)が、外国から自由にものが買えなくなれば意味がありません。
  しかも、この40%という数字は非常に重要な数字を取り除いた「上げ底」なのです。それは、畜産を行う際に消費される輸入飼料です。
  日本の食糧事情で一番問題なのは、この飼料の自給率が低いことです。少々古いデータですが、平成15年で24%しかありません。特に、早く肥育するために必要な「濃厚飼料」というカテゴリーは10%と非常に低くなっています。
  これは日本に限った話ではありません。なんと、全世界の穀物の4割が飼料用として「消費」されているという現状があるのです。面白い話があったので、ご覧下さい。

「あいのり」が飢餓問題の本質に迫る
http://hideyukihirakawa.com/blog/archives/200411/300034.php
−−−−−−−−以下引用−−−−−−−−

メンバーたちは、アフリカのマザーテレサと呼ばれているアベベック・ゴベナさん(67歳)が営む孤児院を訪れ、アフリカの飢餓の実態、日本など先進国の利害が深く関わる「飢餓はなぜ起こるのか?」を聞かされる。

(中略)

さて、緑の革命の問題に突っ込んだあと、次はいよいよ「肉食」の問題に話は進む。実は、ここまで見ていて、「ここで肉食の問題までいったら、すごいもんだけど、無理かなぁ」なんて、夫婦二人で半ばあきらめていたのだが、「あいのり」スタッフはなかなかやる。

 世界中で生産される穀物は一年に20億トン。
 これは世界の人口、63億人の2倍以上の人が食べていくのに十分な量のはずである。
 しかし、先進国の人々は貧しい国の4倍もの穀物を消費している。その為、貧しい国の人々には十分な食糧が行き渡らない。
 世界で一番穀物を輸入しているのは、日本!世界全体の10%の穀物を輸入している。
 しかし、日本人が直接食べるのはこのうちたった3分の1だけ。残り3分の2は家畜の飼料となっている。
 外国では肉牛は草を食べて育つことが多い。しかし・・・霜降りの肉が喜ばれる日本では、肉牛は穀物のエサで育てる。肉に脂がのっておいしくなるからだ。
 おいしい霜降り和牛1キロを作るために牛は8キロの穀物を食べさせられるのである。焼き肉店でおいしい和牛のカルビを食べるということは、たくさんの穀物を食べてるのと同じことなのである。


ちなみに、この話の中では、日本の肉牛生産による穀物の過剰消費だけにスポットが当たっているが、実をいえば、世界全体でみても、穀物生産量全体の40%は家畜飼料である。「外国では肉牛は草を食べて育つことが多い」とあるが、穀物生産大国アメリカなどはがんがん穀物飼料を牛や豚に与えている。自国だけでは足らず、アマゾンの熱帯雨林まで切り開いて、大豆を作らせたり、牧地を広げている。
−−−−−−−−引用以上−−−−−−−−

  例として挙がっている和牛などまだましなほうで、平均すると牛肉1キロを作るために11キロの飼料作物が必要なようです。なんとも馬鹿げた話です。
  私は肉の脂が大嫌いな上に、輸出相手国の基準に合わせず●プロパガンダで国民を騙して牛肉を売りつけようとしてくる連中に対して反発したい気持ちがあるので、牛肉は3ヶ月前に親戚に「今半」で和牛のすき焼きをごちそうになっただけで、あとは全く口にしていません。周りには「アホか」と言われることもありましたが、どうやら人間としては間違ったことをしていなかったようです(笑)。
  飼料の生産を増やせばいいではないか、という人もいますが、そういう問題ではありません。だいいち、今現在これだけ食糧が高騰しているというのは、各国が増産しようにもできないという事情がある(アメリカのように「バイオエタノール」という無用の長物のために転作している国もいる)からです。日本が、同じ土俵に上がってもダメです。
  そもそも、家畜の大規模生産がなぜ始まったのかというと、穀物がデフレになるのを防ぐためです。できの悪い飼料を正規の市場に出さず、あえて穀物用として売りさばくことで、値崩れを防止してきたというわけです。
  つまり、発端からして金儲けであるわけで、日本は戦後そういう「世界の流れ」(笑)に完全に乗せられてしまったのだということができます。もちろん、日本が馬鹿だったというのもありますが、大半は飼料用穀物と輸入食肉を大量に日本に買わせたいどこかの国の思惑です。もう、いい加減そういう状況から離脱すべき時が来ているのではないでしょうか。
  国産の飼料を増やす(たとえば、飼料作物用のコメを生産する)という考えもありますが、正直あまりよろしくない考えです。費用対効果を考えて有効ならばそういう取り組みはずっと昔から行われているわけです。それを今から無理矢理やろうとしても、税金の無駄遣いに終わるだけでしょう。
  だいいち、コメというのは人間が食べるべきものです。そんなことをするくらいなら、もっと有効な税金の使い方をして(のちほど詳述)、他の作物を作った方がよほど日本人の栄養のためになります。
  
浪費に支えられた畜産はやめよう

  高級品と言われる和牛にしても、輸入したものをガツガツ食べて身体に霜降りの脂肪をつけているわけで、結局どっかの国で●ホルモン剤漬けになって飼料をアホみたいに食わされた牛肉と育ち方はたいして変わりません。
  豚肉や鶏肉にしても、輸入飼料の浪費を軸にして生産が成り立っているわけで、人が口にすべきものを家畜様が口にしているという構図は変わりません。飼料の購入に補助金をつけてもムダです。今の価格高騰に対応できるかどうか疑問ですし、いわゆる「カイカク派」といわれる人間たちやマスコミから「税金のムダだ!」という攻撃を受けてしまいかねないからです。

  そうなると、もう、考え方を変えなくてはダメです。家畜以外の、飼料作物を大量消費しないタンパク源の地位を向上させるのです。

  まず、家畜は粗放飼料(牧草など)を原則にして、大量の輸入が必要な「濃厚飼料」には課税するといいでしょう。その上で、過放牧がないか農協や都道府県の農政課が監視すれば、自然がまかなえる範囲で無理のない畜養ができます。今でもそういう風にして牛を育てている農家はちゃんといます(たとえば●肥後のあか牛。もっとも、ここでも濃厚飼料を全廃できてはいない)。
  そのような自然な牧畜が不可能だというなら、廃業保証金でもつけて畜産をやめてもらった方がいいでしょう。輸入飼料に依存して、粗放飼料の手に入らない場所で畜産をやるなどというのは、自然の理に反しています。砂漠の真ん中にパイプラインや電線を敷いて、人口都市を造るのと同じです。
  早く大きく育てなければ競争にならないという論理もたしかにわかるのですが、そうやって作り出されたタンパク質が窮地を招いているのです。このまま行けば飼料の高騰によってどのみち廃業は免れない状況が出てきます。それならば、粗放飼料をメインにする方向に舵を切った方がいいのではないでしょうか。
  もっとも、実は飼料を大量に作り出す方法がひとつ残されています。後で詳しく述べます。

「海洋牧場」の可能性

  しかし、それを急に進めてもいけません。失業者が大量に出てしまう上に、国民のタンパク源が不足することになるからです。平行して、新しいタンパク源を確保する政策を行わなければなりません。
  その切り札になるのが、「海洋牧場」です。
  海洋牧場のモデル図については、●こちらのリンクを見ていただけるとよくわかります。要するに、魚を幼魚の段階から音波を使って「餌付け」してしまい、海の中で育ててしまおうという発想です。
  この発想の優れている点は、人工的に作り出した飼料をほとんど必要としない点です。海の豊富な給養力を利用してしまおうというわけです。
  具体的に言えば、まず海洋深層水を海水面近くに持ってくることです。海洋深層水はほぼ無尽蔵にあるといっても過言でない最後の資源であり、これを表層に汲み上げてプランクトンの増殖を促進します。
  さらには、小魚や海藻にとって住みやすい環境を作り出すために、人工漁礁を利用します。波の影響を受けにくく、隠れ家のある岩場と同じ環境を作り上げるわけです。
  こうすれば、魚は海の中で勝手に育ってくれます。貴重な淡水を暴力的に消費し、農薬を大量にしようして作り出した飼料で作られた畜産物より、地球環境に優しいことは間違いありません。そして、このような技術は、すでに実用化されています。

倉敷にも海洋牧場を整備へ
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200805230085.html
−−−−−−−−以下引用−−−−−−−−
岡山県は本年度、西日本最大級とされる約800ヘクタールのアマモ場がある倉敷市の味野(あじの)湾で、海洋牧場の整備に着手する。西部の笠岡市白石島、東部の備前市日生町に次ぎ、県内3カ所目。広域的に漁場整備を進め、水産資源の供給増を図る。

 海洋牧場は、稚魚の段階から音響装置を使って餌付けし、人工漁礁や藻場の造成などを通し魚の成長に応じた生息場を整備する。白石島では、県が1991―2001年度に、沖合350ヘクタールに総事業費21億円で牧場を整備。笠岡市でマダイなど6種類の漁獲量が約2倍に回復する効果を挙げている。
−−−−−−−−引用以上−−−−−−−−

  今現在は沿岸漁業の主力産品である「マダイ」や「クロダイ」に止まっているようですが、結局養殖が出来る魚なら、適切な規模さえあれば全てこのやり方で生産ができます。たとえば、以下のような魚も畜養可能になるかもしれません。

クロマグロ完全養殖成功から1年。
http://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/000200/ren/web/ren7/maguro.html
−−−−−−−−以下引用−−−−−−−−
1970(昭和45)年、水産庁はマグロ養殖プロジェクトを打ち出す。近畿大学の他、幾つかの大学や試験場が挑戦したが、試験研究期間後も近大は独自に研究を続けた。「何しろ難しい」と、近大水産研究所長の農学博士・熊井英水さん。稚魚は特に皮膚が弱く、手でつかんだだけで死んでしまう。繊細で、車のヘッドライトや船のエンジン音、水の濁りですぐパニックに陥り、イケスの網に衝突する。「隣のイケスのタイやハマチは平気なのに」とスタッフを嘆息させた。「しかし生物には適応性がある」。それは、ハマチに始まりシマアジ、クエ、ブリ…、ありとあらゆる魚の養殖で培ってきた経験と技術の蓄積に裏打ちされた自信だった。そして遂に3代目が孵化。32年の月日が経っていた。なお、この研究は、文部科学省による世界最高水準の研究教育拠点づくりを推進するCOE(センター・オブ・エクセレント)に選定された。 
−−−−−−−−引用以上−−−−−−−−

  この前後に、マグロのえさ代に1年数百万かかるというくだりがありますが、その餌を海洋牧場で供給できるようになれば最高です。日本は水産物の自給が半分しかない国ですが、その多くがカタクチイワシなどの養殖用の飼料だからです。

ホンダワラが日本を救う?

  魚だけではなく、海藻を育てる「海洋農場」も同様の発想でできます。こちらはタンパク質ではなく、ミネラルの供給源として有効です。
  私が今後、海洋農場の主力になると踏んでいるのは、「ホンダワラ」という海藻です。なぜなら、ホンダワラは「飼料用海藻」「肥料」「バイオマス・エネルギー源」という、日本が渇望している資源に転用できるからです。
  たとえば、飼料用や肥料用ホンダワラは、今でも粉末として用いられていますが、残念ながら輸入ものです。日本人には「海藻=口に入れるもの」という意識があるためか、ホンダワラのような飼料用海藻の栽培が行われていません。しかし、周りが海だらけなのですから、やろうと思えばいつでもできます。
  ホンダワラの栽培は、もちろん昆布同様海の「世話」は必要ですが、どこか別の所からエネルギーを奪ってくる必要がないというのが最大の魅力です。海には陸地から絶えずミネラルが流れ込んでいるので、それだけで海藻の栽培には十分なのです。
  しかも、このホンダワラは近い将来エネルギー資源としても使えそうなメドが立ってきました。以前も紹介しましたが、以下の記事をご覧下さい。

「海藻からバイオエタノールを400万トン/年生産」水産振興会構想発表
http://www.gamenews.ne.jp/archives/2007/05/4002013.html
−−−−−−−−以下引用−−−−−−−−
農林水産省所轄の財団法人【東京水産振興会】の研究委員会(座長・酒匂敏次東海大名誉教授)は5月9日、バイオエタノールを海藻(かいそう)から大量に生産する構想を発表した。同振興会の調査研究委員会がまとめたという。

元記事によると海面に浮かべた網でアカモク(ホンダワラ科)やコンブなどの海藻を、海中に浮かせた巨大な網にタネや苗を植えて養殖し、工場も洋上に建造。その工場で海藻を材料としてバイオエタノールを生産するという。

この仕組みでは原材料の調達コストが現在バイオエタノールの主要材料であるとうもろこしやさとうきびなどの穀物と比べると安く、新たな技術開発も少ないため、ハードルは比較的低いとされている。また、食糧との競合も避けられるので、現在すでに影響が出ている価格全体の引き上げなど、食糧方面での悪影響も防げるメリットがある。

試算では日本の領海と排他的経済水域(EEZ)をあわせた海域約447万平方キロメートルのうち1〜2%を用いるだけで年間1.5億トンの海藻を養殖でき、この海藻から400万〜500万キロリットルのバイオエタノールが生産できるという。これは現在の日本国内のガソリン使用量の約1割にあたるとのこと。

当計画では2013年頃から実証事業を始めるべく各方面に働きかけをしており、漁業者や民間企業が事業主体になることを想定しているが、スタート時は国の事業とするように、国に働きかけるという。
−−−−−−−−引用以上−−−−−−−−

  2013年から実験などと悠長なことを言っている場合ではありません。今すぐ始めなければダメです。そうは言っても、グローバル経済派に乗っ取られている自民党や、外国の意を受けて活動している公明党ではこんな政策は推進できません。野党各党は「海藻バイオマスによるエネルギー自給率アップ」を選挙公約の中に入れて、大々的にアピールすべきです。
  
  このような海洋牧場や海洋農場を、日本中に作ればいいのです。離島でやれるようになれば、雇用対策としてもこれ以上のものはありません。税金のムダという「カイカク派」「公務員叩きマニア」に対しては、上に挙げたようなマグロののように、一般人に受けのよいネタを入れてマスコミを味方につけて対抗すればいいでしょう。なにしろ、輸入飼料に依存しないタンパク質の自給という素晴らしい目標があるのですから、臆する必要などありません。
  
  こういうことをいうと、「それじゃあ内陸部の農村はどうすればいいんだ」という意見が出てきそうです。
  しかし、畑でもタンパク源が作れることをお忘れではありませんか。そうです。「大豆」です。
  次回はこの大豆を軸にして、農作物の自給についても考えていこうと思います。

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2008.06.30(Mon)

成功の鍵は「迂回生産」にあり 

  「迂回生産」という言葉があります。

  ある仕事に着手するとき、いきなりその仕事に取りかかるのではなく、効率を上げるための準備作業を行うことをいいます(と思ってます)。
  たとえば、川で魚を捕りたい場合、いきなり手づかみでやるより、網を作っておいた方がいい、という感じです。手づかみで魚を取り始めると、すぐに何匹かの魚が手に入りますが、最終的には網で巣くう方がより多くの魚を捕まえることができます。

  人間は悲しいもので、目先の利益に飛びつきがちです。それゆえ、往々にしてこの迂回生産を「無駄な時間」と認識することがあるのです。

  だが、それこそ間違いです。迂回生産が無駄な作業に見えるのは、目的のために最も合理的な迂回生産をしていないからです。
  川の例で言うと、魚を捕るといっても、大型漁船など必要ないし、浅い川ならそもそも小舟すら不要でしょう。そう考えると、迂回生産の中身は、目的と、それを追求する領域との関係から決まるということになりそうです。

  こういうことをえらそうに吹聴していると、「おまえはどうなんだ」と言われてしまいそうなので、私が日常生活でどのような迂回生産を行っているか紹介します。

  私の仕事(塾講師)というのは終業時間が普通の仕事より遅いので、帰宅して少しのんびりしているととんでもない時間に寝る羽目になってしまいます。
  それでも生きては行けるのですが、別の仕事に変わった時そういうクセがついているのはまずいだろう、ということで、なるべく早く、一定の時間に起きるようにしたいと思いました。
  初めは、帰宅したらとにかく一休みせず、素早く行動して「○時に寝よう」という目標を立ててやっていました。しかし、全く効果がありませんでした。少しくらいいいだろうと思い、結局延び延びになってしまうのです。
  原因を考えてみると、どうも物事を進める順番がはっきりしていないので、次に何をしようか考えてしまっていることに気づきました。何時に寝ようと決めていても、そこまでの通過点をきちんと意識していないので、どんどん後ろにずれてしまうのです。
  同じように、起きてから出勤するまでの時間も非常に無駄が多くなっていました。他人に「時間を効率よく使え」と言いながら、これではいけません。
  そこで、とにかく帰宅したら「寝るまで」「翌朝起きてから家を出るまで」を紙に書き出して、それぞれ何時何分までにクリアするか、時刻も横に付記しておくことにしました。
  こうなると、一番重要なのはゴールの地点(たとえば就寝時間、行きの電車の出発時刻)を先に決めてしまうことです。そこが決まれば、逆算して何を何時何分までに済ませなくてはいけないかが決まってきます。
  そうした上で、やらなくてはいけないことを配置していくのです。洗濯をやらなければ行けない場合は、それを入れた上で何時に起きるかまで決定しなくてはありません。
  こういう作業は非常に手間がかかり、10分や15分かかってしまうこともしばしばです。与えられた時間が少ない場合、とにかく動く方が先だと思ってしまい、その10分や15分がムダに感じられることもあるかもしれません。
  しかし、その行動計画みたいなものを決定していた方がトータルで早く終わるのです。どうしてだろうと思いましたが、一番大きいのは、頭をいちいち使わずに済むからです。流れや通過点を決めておかないと、どうしても「次はどうすればいいか」という判断に気を取られてしまい、その分だけ時間や頭のスタミナみたいなものを浪費してしまうわけです。

  そう考えると、迂回生産の最大のメリットは、実際に仕事に取り組んだときに、その場でしか出来ないこと(臨機応変な判断や、実際にする手作業)に集中できることなのではないかと思います。
  だから、準備を出来る限り整えておくというのは、間違いなくプラスになるのです。これは、その場その場の判断がものをいう分野(たとえばサッカーのようなスポーツ)でもそうです。目的(ゴールすること、失点を抑えること)から逆算して、最も合理的な準備(戦術やそれを実行する体力・技術の養成)を行うことのメリットに、例外はありません。
  これを邪魔しているのは、「やれば何とかなるだろう」という甘い考えです。たしかに何とかなることはなるのですが、目標を達成するために思わぬ犠牲を払ってしまう羽目になりかねません。
  そうなると、私が考える迂回生産の鉄則は、

(1)目的を強烈に意識すること
(2)その目的から常識的に逆算をすること
(3)徹底的に、しかも実行可能な準備をしておくこと


  一番大切なのは(1)です。何かをやろうと思うからこそ、人間は行動ができるのですから、考えてみれば当たり前です。
  別に、だいそれたことでなくてもいいのです。私みたいに、なるべく早く家を出るとか、そんなことでもいいからまず意識して、それに向けた努力をすることです。そこで得た経験や教訓をもっと大きな目的のために生かすことができればいいのです。
  (2)は意外とみんなが出来ていないことです。入試の問題で、「問1」から解き始めてしまうクセが付いている人は要注意です。「順に解いていけばなんとかなるだろう」と思っているから、時間が足りなくなってしまうのです。ゴールから逆算していけば、そういうことは避けられます。
  (3)の「実行可能」というところは大切です。分刻みのスケジュールとか立ててしまう人は、そんなことをできるのでしょうか。せいぜい5分刻みでしょう。明らかに常識から外れた時間配分・資源配分は、何も考えていないよりもっとたちが悪いです。「これをやるには、このくらい時間がかかるだろうか?」という問題は、よく考えてみなければいけません。そのために使う時間は、迂回生産の一部であり、全くムダにはなりません。
  
  日常生活にしろ、ビッグプロジェクトにしろ、国家戦略にしろ、はたまた一人の人間の人生にしろ、中身を充実させるには迂回生産を成功させることが大切です。
  他人から言われた仕事や、あっという間に過ぎ去ってしまう時間といった外的要因に流されるままに生きてしまうのは、どうももったいないような気がします。

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2008.06.26(Thu)

【テロ国家指定解除】いまさらこの程度のことで驚いてはいけない 

  このブログでしつこいほど繰り返してきた流れが、ついに現実のものになりました。

北朝鮮:核申告期限を通知 米「テロ」解除は26日
http://mainichi.jp/select/world/america/news/20080624k0000e030062000c.html
−−−−−−−−以下引用−−−−−−−−
北朝鮮の核計画申告が26日に行われる公算が大きくなったことについて、ペリーノ米大統領報道官は23日の記者会見で、「(北朝鮮から)26日までに申告するよう努めるとの通知があった。北朝鮮が自ら設定した期限だ」と述べ、北朝鮮が申告の時期を米側に伝えていたことを明らかにした。

 報道官はそのうえで、「我々には行動には行動で応じるとの合意がある」と指摘し、26日に申告が行われれば、同日中にテロ支援国家指定解除に着手し、対敵国通商法の適用除外を実施するとの米政府の方針を改めて示した。

 一方、ライス米国務長官は23日、ドイツに向かう機中で記者団に、「日本はアジアで最も強力な同盟国の一つであり、日本人拉致問題がセンシティブな問題であることを理解している」と指摘。テロ支援国家指定を解除しても「この問題を置き去りにしたり、忘れることはない。我々は今後も北朝鮮に対応を強く求め続けていく」と語った。

 6カ国協議筋によると、北朝鮮側は26日に6カ国協議議長国・中国に申告書を提出し、米国のテロ支援国家指定解除の議会通告を見届けて、27日に寧辺(ニョンビョン)の黒鉛減速炉に付属する冷却塔の爆破解体を行うとのスケジュールを米側などに伝え、米国もこれに同意しているという。
−−−−−−−−引用以上−−−−−−−−

  北朝鮮は「テロ支援国家ではない」ということを、アメリカが認めました。

  このブログをご覧になっている方であれば、「ああ、やっぱり来たか」と思うことでしょう。東アジアの国際問題の根本は、「中国と朝鮮の冷戦」だということを、何度も書いてきたからです。

  まあ、えらそうに言っている私も、最近ようやく一本の線でつなげることができた事柄ですので、再度おさらいしておきましょう。

  米ソの冷戦の時代、北朝鮮というのは興味深い地位にありました。韓国(アメリカ軍が駐留)、中国、ソ連のちょうど中間にいて、どの勢力とも絶妙の距離を保っていたのです。
  朝鮮、中国、ソ連というのは、ともにランドパワー(意味は●こちらを参照)です。ランドパワーにとっては、国境線を接する隣接ランドパワーは最大の敵です。放っておくと国内の反乱分子とくっついて領土を侵すからです。たとえその国が自分より小さな相手であろうと、抹殺してしまわなければ気が済まないのです。
  そうなると、朝鮮(あえて南北を分けずに論じている)は常に中国による侵略に怯えなければならないことになります。朝鮮一国では人口10億を超える中国とは到底渡り合っていけないからです。
  そこで、朝鮮が選んだのが、日本から資金援助を受けつつ、ソ連を引きずり込んで中国と三すくみ状態を作り出すことでした。
  この辺は別の機会に詳述したいのですが、金日成は日本の大陸派遣軍である「関東軍」と少なからぬ縁のある人物だったようです。関東軍といえば「満州国」です。戦後の日本には満州国で活躍した人びとが社会の各所に生き残っていました。岸信介や椎名悦三郎を初めとした革新官僚、児玉誉士夫や笹川良一のような右翼運動家、さらには広告代理店「電通」を育てた里見甫などがそうです。それらの人間が、アメリカの黙認の上で、北朝鮮を有形無形の形で援助していたわけです。(●こちらの「るいネット」のリンクが非常に面白い)よく言われるパチンコ資本の送金などが一つの例です。
  ●北朝鮮の地図を見てみると、中国との長大な国境線以外に、ほんの少しだけロシアと国境を接しているのが分かります。そこから鉄道が北朝鮮領内に引き込まれています。これが、北朝鮮の命綱だったのです。ソ連の衛星国になるふりをして、中国を牽制していたというわけです。
  こんなことは、有象無情の情報を取り除いて、地政学で考えれば理解可能なことだったはずです。しかし、「冷戦」という分かりやすい前提知識や、「朝鮮人」というものに対して抱いている日本人の特殊な感情が邪魔をして、みんな勘違いをしてしまっていたのです。
  この三すくみ状態は、1991年のソ連崩壊でなくなってしまいました。1994年に北朝鮮が(おそらくはアメリカの承認のもとで)NPTを脱退し、核開発を再開したのは、中国との直接対決を戦うための決死の賭けだったのです。わざわざNPTを脱退したのは、中国がすぐに朝鮮に攻撃をしかけないように、国際社会の眼を引きつけるためだったのではないかと推測しています。
  この北朝鮮の動きに対抗する形で出てきたのが「東北工程」です。これは、中国による北東アジアの歴史見直し作業です。1996年に始まって、最近だいたいのメドがつきました。それによると、「高麗と渤海は中国の王朝」であり「箕氏朝鮮や高麗は中国人が朝鮮半島に作った王朝」だということです(最新の発表は●こちらのリンクを参照)
  こんなことを中国が世界のマスコミに向けて発信する意味は何かと考えると、朝鮮半島を併合する口実に他ならないわけです。
  それに加えて、●旧ブログの方で指摘したように、中国は白頭山(北朝鮮にとって建国の聖地)の原生林をぶっ壊して空港を作ったり(明らかな挑発)、朝鮮半島に伸びる高速道路を3本も建設したりしているのです。何かあったら、「お騒がせ独裁国家をやっつけます」という建前で中国が北朝鮮に直接侵略するためです。
  そういう流れの中で、2006年の北朝鮮による核実験が出てきたのであり、アメリカの忠実な部下である小泉純一郎が日朝国交回復をせかしているわけです。このような理解無くして、拉致問題だけを語っても無意味です。

  しかしまあ、アメリカは親切な国です。日米同盟を親子の絆か何かのように勘違いしている日本人の一部の人びとのために、ちゃんと精神安定剤を与えてくれています。

日米首脳電話会談:拉致問題で緊密協力を確認
http://mainichi.jp/select/world/america/news/20080626k0000m010135000c.html
−−−−−−−−以下引用−−−−−−−−
 福田康夫首相は25日夜、ブッシュ米大統領と電話で約20分間会談し、米国が26日にも北朝鮮のテロ支援国家指定解除の手続きに入ることを前提に、拉致問題に関して日米両国が緊密に協力していくことを確認した。

 大統領は「私は拉致問題を決して忘れない。日本の懸念は十分理解しており、引き続き緊密に協力していきたい」と述べ、指定解除の手続きに入った後も、拉致問題の進展を支援する考えを伝えた。これに対し、首相は「北朝鮮の核放棄に向け6カ国協議のプロセスを前進させることが重要だ。拉致問題を含む諸懸案の解決に向け、引き続き米国の協力をお願いしたい」と要請した。

 今回の電話は、米国が指定解除手続きを開始するのを前に、大統領が首相にかけたもの。指定解除が拉致問題の「置き去り」に直結し、日米関係に悪影響を与えるという懸念が日本側にあることに対して配慮したとみられる。
−−−−−−−−引用以上−−−−−−−−

  こういう記事が出るとすぐ、「福田が悪い」とか「中川秀直や山崎拓のせいだ」などと言う馬鹿が出てくるようですが、完全な間違いです。福田は日本が置かれている今の状況で、精一杯の返事をしているのです。
  そもそも、福田にしろ、拉致問題で騒ぎを起こした小泉や安倍にしろ、岸信介や福田赳夫の流れを汲む自民党清和会(町村派=旧福田派)の人間です。この派閥が北朝鮮とつながっているのは、●こちらのリンクと、●こちらのリンク、さらには●こちらのリンクを合わせて読めばだいたい推測が付きます。
  そうだとすれば、小泉以降の政権は、拉致問題を解決すると言うより、

▲北朝鮮の脅威を煽ることで、在日米軍に対する依存を深める
▲敵をたたいているように見せることで、政権の正当性を裏付ける
▲もっと言えば、苦しくなると北朝鮮とグルになって騒ぎを起こし、国民の目をそらす


  ために、拉致被害者を利用してきたと言っても過言ではありません。

  彼らの最終的な目標は、日朝国交回復による北朝鮮への援助です。これによって、アメリカの狙っている「北朝鮮を中国の監視役にする」という戦略は、とりあえず完成します。もちろん、それによって日本が被害を被るとか、拉致被害者が帰ってこないということはアメリカには関係ありません。
  そして、そうなった後もアメリカ・清和会・北朝鮮による詐欺は終わることはありません。国交が回復したらしたで、歴史認識を巡って騒ぎを起こしたり、ある日突然北朝鮮の潜水艦が日本海沿岸に出没したり、拉致問題を巡って八百長の対立を見せつけたり、そういうことが続くでしょう。そして、そのたび経済問題がうやむやになったり、日本人の税金が北朝鮮に流れていったりするわけです。
  ニュースに踊る「北朝鮮」「拉致」というキャプションにいちいち腹を立てたり、焦りを感じたりしている時点で、もうこの詐欺に騙されているといっても過言ではありません。北朝鮮を巡って右と左に分かれて罵り合いなどしている場合ではないのです。

  まず、清和会が政権から離れれば、この動きはとりあえず停滞します。アメリカに依存することで自分たちの勢力を確保している連中を、内閣から追い払わなければなりません。
  その上で、日朝国交回復に積極的な民主党内の勢力(社会党出身者や菅直人のグループ)を牽制するために、平沼赳夫氏が作るといわれている新党や、国民新党のような、拉致問題を風化させない政治勢力を伸ばしておくしかありません。
  当たり前ですが、拉致問題が解決しないままでの日朝国交正常化を、絶対に認めてはいけません。そういう世論を作ろうとマスコミが変な報道をしても、疑ってかかることが必要です。

  くれぐれも、「日本はやっぱりダメだ」という結論に落ち着いたりしないように・・・。

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EDIT  |  23:47 |  中国・朝鮮  | TB(2)  | CM(13) | Top↑
2008.06.25(Wed)

食料価格が暴騰している!! 

ラーメンが贅沢品になる日?

  以前も書きましたが、私は「ラーメン」という食べ物が好きです。

  この、今でこそ国民食といわれるほどの地位を占めているラーメンというのは、奇妙な存在です。生まれは中国ですが、戦後の日本で全く系統の違う食べものとして成長し、それが世界中で受け入れられています(たとえば●こんな例)。
  それ以上に奇妙なのは、この「日本食」ラーメンの中核をなす「中華めん」の原料のほとんどが外国産だということです。
  最近は、国産の小麦を使う店も増えてきましたが、それでも圧倒的に多いのがアメリカ産やカナダ産です(うどんはオーストラリアが多いらしい)。理由は簡単で、国産よりもたくさん出回っていて、安いからです。
  以前であれば、アメリカ産はポストハーベスト農薬(収穫後保存のために使う殺虫剤等をいい、毒性が非常に強い)が多いだのなんだの言っていればよかったのですが、近頃はそれどころではなくなってきました。小麦がどんどん値上がりしているからです。近頃、こういうニュースがよく飛び込んでくるので、みなさんも実感していることでしょう。

小麦、10月から20%超値上げ パン・めん価格影響か
http://www.asahi.com/business/update/0617/TKY200806160329.html
−−−−−−−−以下引用−−−−−−−−
政府が製粉会社に売り渡す際の輸入小麦の価格が10月から20%超値上げされることが16日、確実となった。国際的な小麦価格の高騰が続いていることが要因。昨年4月から半年ごとに価格を改定する制度になり同4月に1.3%、同10月に10%、今年4月に30%値上げされた。10月の値上げで4期連続になる。パンやめんなどの新たな値上げにつながりそうだ。

(中略)

10月の改定は、昨年12月〜今年7月の8カ月間の政府の購入(落札)価格が機械的に反映される。16日公表の5月の輸入小麦の購入価格を取り入れてこの6カ月間の購入価格を計算すると、1トンあたり約7万円(主要5銘柄)になる。これに、農家への補助金と港湾経費1万8875円を足すと約8万9千円になる。4月の改定価格6万9120円より28%上回っている。

 小麦の国際価格は春にやや低下したものの6月は再び上昇している。世界的に需給がひっぱくしていることから7月に暴落することは考えられず値上げは避けられない状況。「現状の価格だと20%台半ば程度の値上げになるのでは」(農水省幹部)という。
−−−−−−−−引用以上−−−−−−−−

  このような値上がりにはいくつかの背景があります。

(1)中国・インドなどの食糧需要の増加

  近頃はどちらの国も小麦の輸入国に転落しました。ただし、これは今に始まった傾向ではないので、ここ最近の価格上昇の主要な要因とは言えません。

(2)オーストラリアなどでの小麦の不作

  日本のマスコミがあまり触れない●こちらの「晴耕雨読」様の記事をご覧頂くとよく分かります。
  最も大きな原因は、水循環の破壊です。オーストラリアは化石帯水層(何千年もかけて形成された地下水の層)を灌漑用水として大量に使用してきました。石油を汲み上げてアホみたいに使いまくるのと同じで、いずれは枯渇してしまいます。それでも、経済効率がいいからと使いまくった結果、各地で川が枯れてしまったのです。
  政府もこれではいけないと、いまさら●こういう取り組み(注:PDFです)をしているようですが、もう遅いでしょう。「帯水層の貯蔵・再生計画が必要になります」などともっともらしいことを書いていますが、何百年、何千年もかけて形成された地球の恵みを、たかだか4年おきの選挙しか頭にない政府が税金で解決できるわけがありません。
  そうなると、今後、オーストラリアは文字通り「木も草も生えない」大陸になる可能性が高いのです。こんな国に食糧を依存するのは考え物です。
  もちろん、オーストラリアよりも「水浪費先進国」であるアメリカにも同様の問題があります。●オガララ帯水層の枯渇がそれです。アメリカは世界の小麦の8%を生産しており、日本にとって最大の輸入相手国ですから、ここが大干ばつに襲われたら、一体どんな事態が起こるか・・・。

(3)バイオ燃料の「需要」増加

  このブログでも何回か取り上げている(●こちらの記事●こちらの記事を参照)話題です。
  バイオ燃料とは、化石燃料ではない、生物由来の燃料をいい、その多くはエチルアルコール(エタノール)の形を取っています。理科室で実験に使ったランプの中のあれがエチルアルコールです。
  近年温暖化がどうのこうのということで、大気中の二酸化炭素を増やさないバイオ燃料が注目されてきました。植物は光合成によって空気中の二酸化炭素から自分の身体(有機物=炭素化合物)を作り出すので、その植物から出来た燃料を燃やしても大気中の二酸化炭素の総量は変わらないというのが主なセールスポイントです(いわゆる「カーボン・フリー性」)。
  本来、こういう燃料は石油よりもコストが高いということで敬遠されてきたのですが、イラク戦争以降の石油の高騰によってだんだん採算が取れそうになってきました。2005年くらいから、世界各地にどんどんエタノール蒸留所が出来ているようです。
  しかし、問題なのは、これが小麦生産国で大規模な転作を招いているということです。たとえば、アメリカでは小麦畑がトウモロコシ畑の変わるという事例が多いです。これによって小麦の供給量は減少し、価格が高騰するわけです。
  
(4)上記の要因を考慮した、商品市場への投機マネーの流入

  発端は、石油価格の高騰です。今後石油が上がるのではないか、という材料が出始めたところに、サブプライム・ローンの破綻が襲ってきました。そこで、アメリカの証券市場に滞留していたカネの一部が、石油のインデックス取引(市場が上昇傾向の時に、その市場に関連する全銘柄を買い付ける投資)に流れ込んだのです。
  私はしばらく車には乗っていなかったのですが、この前広島に行ったら、ガソリンが1リッター169円だったのにビックリしました。そして、この異常な高値は需要と供給の関係で決まっているものではありません。証拠はこちらです。

商品インデックスファンドめぐり議会報告、相場高騰で=米CFTC委員長
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-32391720080623
−−−−−−−−以下引用−−−−−−−−
 米商品先物取引委員会(CFTC)のルッケン委員長は23日、商品インデックスファンドがエネルギー価格上昇に果たした役割について、9月半ばまでに議会に報告書を提出することを明らかにした。

 同委員長は下院監督・調査委員会に対し、インデックス取引の影響を一段と理解するため、CFTCがスワップ担当のディーラーにインデックス取引に関する情報の提供を要請したと述べた。9月15日までに議会に報告書を提出するとし、内容は先物市場の商品インデックス取引のほか、必要に応じて、慣行や規制の改善に向けた提言も含まれるとした。

 監督・調査委員会は23日の公聴会で、CFTCのデータから、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)の原油先物取引の大部分が投機筋によるものであることが明らかになったと指摘。

 ルッケン委員長は、米国の先物市場で原油を含む商品価格が、操作的な行為ではなく受給要因で決まるよう取り組む姿勢を示した。
−−−−−−−−引用以上−−−−−−−−

>ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)の原油先物取引の大部分が
>投機筋によるものであることが明らかになった

  大正時代の●米騒動の原因になった「買い占め」によって値段が高騰しているということです。  

  そして、石油の価格が上昇すると、小麦のコストにも跳ね返ってきます。農作物の生産は石油によって支えられているからです。たとえば、化学肥料の材料は石油であり、耕耘機やトラクターは石油で動いています。輸出する時、港まで石油で動くトラックが小麦を運び、それを石油で動く船が各国へ送り届けています。
  これら全ての過程でのコストが上昇するので、必然的に小麦は高くなるわけです。
  そうすると、今度はその小麦の値上がりを狙って投機マネーが動くのです。ニューヨークの商品取引所では今年になってから何回も小麦がストップ高(これ以上取引させると暴騰を招くので、取引自体を中止させること)になりました。
  今でこそ各企業の努力で価格高騰を抑えていますが、どこかの会社が値上げ分をカバーできずに倒産でもすれば、その雰囲気が伝染して、小麦の価格がさらに高騰するおそれがあります。それ以前に、小麦を扱う企業が極端なリストラを行うことによって、経済に悪影響が出てきます。
  かといって、値上げして消費者に転嫁しようとしても、10年連続で平均給与所得が下がっている現状では、他の消費に悪影響が及ぶのは必至です。

  どうやら、「ラーメン1杯1000円」という時代が来てもおかしくないところまで来ているようです。

  ・・・とまあ、こういうことを書く人がボツボツ出始めた時点で、一連の物価暴騰をしかけた連中(要するに、●こいつら)の思うつぼになりそうなので、取り消します(笑)。

カネが命を食い荒らしている

  そもそも、上のような現象にはある共通した前提があります。それは「儲かるからやる」ということです。
  とても食べきれない量のトウモロコシをなぜ作るのかというと、エタノールという形でいくらでも需要があるからです。エタノールにしてもいいと思うのは、石油の代わりとしてよく売れるからです。小麦を先物取引で買う(実際には予約する)のは、これから先値上がりして利ざやを稼げそうだからです。これらは全て、経済的動機です。
  以前の国際経済であれば、株式、すなわち会社の所有権という目に見えないものがもっぱら投機の対象だったので、我々庶民に実害が及ぶことはほとんどありませんでした。あるとしたら、投機の対象にされた会社が倒産したり乗っ取られたりした場合、従業員が整理の対象になるとか、そんな程度でした。
  しかし、今は全世界で必要とされている「食糧」が投機の対象になってしまっています。当たり前ですが、食糧がなければ人間は生きていけません。日本のように大きな国際収支の黒字がある国はまだ値上がりした食糧を我慢して買えばいいだけですが、そういうことが出来ない国もあります。

ハイチ:首相就任案を下院が不承認
http://mainichi.jp/select/world/news/20080614k0000m030106000c.html
−−−−−−−−以下引用−−−−−−−−
 カリブ海の島国ハイチの下院は12日、プレバル大統領が提案した大統領顧問の首相就任案を不承認とした。食糧価格高騰による暴動発生などの責任を問われ、首相が4月、上院に解任された。5月にも大統領が提案した首相人事案が不承認となっており、首相職は2カ月にわたり空席となっている。
−−−−−−−−引用以上−−−−−−−−

食品・燃料の高騰、アフリカで拡大する社会不安
http://www.afpbb.com/article/economy/2374792/2805530
−−−−−−−−以下引用−−−−−−−−
 食品・燃料価格の高騰からアフリカで暴動が相次ぎ、死傷者も出る事態に各国政府が危機感を強めている。

 カメルーンでは2月、物価高騰が原因の暴動で40人が死亡。コートジボワールとモーリタニアでも同様の暴動で死者が出た。セネガルやブルキナファソでも激しい抗議デモが起きており、ブルキナファソはで8日から物価高騰に抗議する全国ストライキが予定されている。

 エジプト当局は6日、この日予定されていたインフレと低賃金に抗議するゼネストを、厳格な対応を盾に事前に中止に追い込んだ。ゼネストの発端となったマハラ(Mahalla)ではデモ参加者と警官隊が衝突、150人以上が逮捕された。

 各国の経済担当閣僚は前週、エチオピア・アディスアベバ(Addis Ababa)で会合を開き、食料品の国際価格高騰が「アフリカ諸国の成長や平和、安全保障に深刻な脅威となっている」との声明を発表した。

 国連(UN)の専門機関、国際農業開発基金(International Fund for Agricultural Development、IFAD)のKanayo Nwanza副総裁は、各国で社会不安が増大しているとして「暴動が周辺諸国に拡大する可能性」に警鐘を鳴らす。

 最貧国の1つとして知られるシエラレオネではコメ価格が300%も上昇。コートジボワールやセネガル、カメルーンでも約50%上昇した。ほとんどの国が輸入に頼っているパーム油や砂糖、小麦粉などの価格も急騰している。
−−−−−−−−引用以上−−−−−−−−

  こういう国では、小麦の国際価格がちょっと値上がりしただけで、生活が成り立たなくなる人も出てきます。
  このように、人間の生命さえ危険にさらしかねない商品取引を投機家(とそれらに融資する国際金融資本)がやめないのは、値上がりが予想される品物を買うのが一番経済的にみて合理的だからです。今の社会の原則は自由競争ですから、この論理を否定できる確固たる論理はありません。普段、競争だ規制緩和だと言っている論者が、こういうときだけ「ファンドを規制しろ」などと喚いているのを見たことがありますが、ご都合主義にもほどがあります。

  さらには、困窮というのは「副産品」を生むこともあります。たとえば労働力です。貧困に陥れば、より安い賃金でも我慢して働くようになります。究極的には、お金がないから赤ちゃんや娘を売るということも起こります。そういう売られた人は、奴隷として働かされたり(今でも本当にある。●こちらのリンクを参照)、欧米やアラブ、華僑などの金持ちの慰みものにされたりするわけです。
  そればかりでなく、戦争というビジネスチャンスも生みます。貧すれば鈍すると言いますが、生活が困窮すると「国内ではダメだから外国の資源や経済権益を奪おう」という論理が通用しやすくなります。そういう時代は、兵士も安い賃金で買いたたくことが出来ますから、あとはそこに兵器を持たせればいいわけです。ほら、こういうところに軍需品を売りつけている人はどういう人ですか。アフリカ人じゃなくて、欧米の武器商人なんじゃないでしょうか。
  もしその国に購入するための資金がなかったら、戦時国債を発行させればいいのです。あとで高い利子を付けて回収できます。こういう貸付をするのは国際金融資本の仕事です。
  そうやって最悪国際紛争が起こったら、したり顔で先進国に介入させます。そういう国にも軍需品を売ることが出来ます。戦後の利益分配に「経済復興」という名目で加わる。ものすごいマッチポンプです。
  こういう現象は、世界恐慌の後の日本でも見られたことです。農村に失業者があふれ、身売りが相次ぎ、「満蒙は帝国の生命線」というキャッチフレーズに乗せられて戦争に突き進み、米英に敗北した後は莫大な負債を背負わされたのが、我が国の近代末期の歴史です。そういうことが、貧しい国から順々に起ころうとしているのが、まさに今このときだと言っても過言ではありません。

  そうなると、(投機家や国際金融資本を抜かした)誰もが、こういう悲惨な事態を回避できる方法はないのか?と考えたくなるわけです。

  はいはい、このブログをご覧になっている方は、また「地域通貨」の話が始まるんじゃないかと思ったんじゃないでしょうか。残念ながら違います(笑)。
  もちろん、●自然主義経済の話は避けて通れないのですが、それ以上に重要なのは、各地域が相互に依存しない形で自律的に経済運営が出来るパワーを身につけることです。
  それを可能にするためには、まず現在の国際分業・相互依存的な世界経済の仕組みを、内側から破壊しなければなりません。
  そのための鍵は何かというと、私は「タンパク質」だと考えています。人間の身体を作り上げている栄養素です。みなさんは、タンパク質をどういう形でとっていますか?

  次回は、そのタンパク質についての話をします。

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